・ガイルというキャラクター
こと「ガイル」というキャラクターはシンプルと評価されることが多い。
なぜなら、必殺技の種類が2種類と少なく、戦法もスト2時代から変わらぬ「飛ばせて落とす」スタイルを貫き続けているからだ。
しかし、それゆえにスト2時代以降の複雑化したシステムやキャラクターに対処していくには純粋な腕・力量が問われてしまう。
・ガイルの技解説第1回 地上通常技編
と、いうわけで、シンプルなキャラクターでバラエティに飛んだキャラクターに勝つための一歩として、ガイルの持つ手札(つまり技の数々)について自分なりの使い方や評価を書いていこうと思います。
小難しい話になると思いますが、どの技がどんな技かを理解すると、とっさの判断がより正確になります。頑張って!
第1回目は地上通常技(特殊技を含まない)についてです。それではどうぞ。
赤字、太字は強調したい部分(覚えて置くと良い!!!!って感じの部分)、青字は初心者はまだ気にしなくて良い部分(PS4版PP2000~あたりからは気にすると良いかもな部分)です。
立ち攻撃
・近弱P 発生3F ヒット時+5F ガード時+2F
ガイルの貴重な3F技として重宝する。とっさの中段技への確定や、LV1セービングをガードした後などに。
ただし、技自体の打点が高く、しゃがみ状態のキャラクターに当たらないことが多々あるため、密着状態以外での使用は難しい。ある程度勝てるようになってきて(PS4版でPP2500以上あたり)、少し勝率が伸びるテクが欲しい、となってから使い始めても問題はない。
・近中P 発生4F ヒット時0F ガード時-3F
めったに使用しない。一部のLV2以上セービング始動時に、ソニックを持続ヒットさせる距離にさせるために使う場合がある程度。この技の使い勝手云々というよりは、コンボルートの中で使うかどうかを把握していればよい。
・近強P 発生5F ヒット時4F ガード時-1F
ガイルのキャンセル可能な技の中ではもっともダメージが高い。近強P→ソニックが極めて簡単かつそれなりにダメージを奪えるグラ潰しになるので、起き攻めの選択肢にも。カウンターヒットで遠強Pや屈大Kが繋がるので、カウンター確認に自信があれば単発でグラ潰しに使用すると高いリターンを狙える。
近・遠距離の切り替わりを把握するのが難しいが、対空としても使用できる。後ろに下がりながらワンボタンで出せる対空の中では信頼できる方。
また、リバスピを絡めたコンボで高いダメージを出そうと思うと使用する頻度が増える。リバスピ→近強P→赤セビからとんでもないスタン値とダメージを生み出せるので、やや難しいが練習しておくと格上に勝つチャンスが作りやすくなる
・遠弱P 発生4F ヒット時+5F ガード時+2F
あまり使わない。しゃがみの相手に当たらないことや、屈弱Pのヒット時有利フレームがウル4になってから+5Fになったことも相まって、使いづらい印象の方が強くなってしまった。
足元の喰らい判定がやや前に出る関係で急降下系の技に対してもやや相性が悪い。
・遠中P 発生5F ヒット時-1F ガード時-4F
やや横に弱いが対空技として機能する。後ろに下がりながらとっさに出せる対空技は優秀。
この技をキャンセルするとガイルが少し前に出るため、ソニック→裏拳のコンボがつながりやすいという特徴がある。難易度は高いが、サマーでキャンセルすることで普段はカスヒットになるキャラクターにも根元ヒットを狙うことができる。
・遠強P 発生5F ヒット時+5F ガード時+1F
通称バンスト。発生、リーチ、隙のなさ、ヒット/ガード時の状況の良さ全てが高いレベルでまとまった、非常にお世話になる技。密着から少し離れた所でこれを振り回しているだけでもそれなりに戦えてしまう。
ただし、下方向への判定は薄いため、しゃがみ技に対して相性はよくない。要注意。
発生5F、ヒット+5Fということで、ヒットした後にもう一度この技でコンボを狙える瞬間がある。慣れがいるが、ヒットした際に画面をよく見てもう一度当たりそうだと思ったら振るとよい。ミスってもほぼリスクないし……。
・近弱K 発生3F ヒット時+3F ガード時0F
めったに使わない。筆者が最近ようやくバクステ狩りを使い始め、その際には使用することがあるが普通に立ち回る限りでは使う場面がない。同じ3F暴れなら後ろに入れながら出せる近弱Pの方が使いやすいからである。
・近中K 発生5F ヒット時-1F ガード時-4F
本当に使わない。マジで。ガイルの特徴のひとつに特殊技の豊富さがあるが、それは同時に通常技を出すために一工夫必要になるということである。この技は完全にそのあおりをくらってしまった形である。
・近強K 発生6F ヒット時+1F ガード時-3F
ガイルの通常技の中では最もダメージの高い技。ただし近強Pと違いキャンセルは不可能。普通に立ち回る時にはほとんど使う場面がない上、リバスピとのコマンドの関係上ニュートラルでないと出せないのでとっさにも使いづらい。ただし判定そのものはめちゃくちゃ強いので、甘いめくり飛びに対してこれで迎撃できるとリターンは大きい。
なお筆者は迎撃できない。
・遠弱K 発生4F ヒット時+3F ガード時0F
めったに使わない。これもニーバズとのコマンドの関係上ニュートラルでないと出せないためである。この技も近強Kと同様判定そのものは強いのだが……。
一応、連キャン可能な技→7いれっぱで弱Kボタン連打で後ろタメを維持しながら地上でこの技を連打する小技があるが、筆者も使ってないので覚えなくて大丈夫。
・遠中K 発生7F ヒット時+1F ガード時-2F
例に漏れずソバットとの関係上ニュートラルでしか出せないが、この技は使用する機会がある。比較的長いリーチと上方向に強い攻撃判定のため、サマーのタメがない場合のやや遠目への対空技として使用する。とっさに出すことは難しいと思うので、弱ソニックを撃った後などに心構えしておくと良い。
・遠強K 発生11F ヒット時+3F ガード時-1F
通称スタブ、スタブキック。遠距離ならリバスピは出ないため、この技はレバーを入れながら出すことができる。
バンストよりもリーチが長く、下方向へもそれなりに強いため、地上でのけん制技としてお世話になる。ただしバンストと比べて全体硬直が長いため、ジャンプやセービングされると悲惨なことになる。
カウンターヒットで屈大Kや遠大Pが繋がる。実戦でそれらがつながる距離でカウンターヒットすることはめったにないが、覚えておくと上級者ぶることができる。
しゃがみ攻撃
・屈弱P 発生4F ヒット時+5F ガード時+1F
通称コパ、小パン。
ガイル使いに限らずウル4をやっている人は自分のキャラクターの屈弱Pと屈弱Kについては理解できていると思うので、ナニモイウコトハナイ。
と思いきや、ひとつ重要なテクニックがある。この技はヒットで5F有利、サマーソルトキックは発生4Fのため、目押しの要領でコンボができる(必殺技は先行入力が効くため、猶予はもっと長い)。通称ノーキャンサマー。
ヒットバックの関係上、屈中Pキャンセルサマーは距離次第で根元ヒットしないことがあるが、屈弱Pサマーは(キャンセル、ノーキャンセルいずれも)ほぼ100%根元ヒットする。そのため、少し遠めでコアコパと繋げた場合、屈中Pを介さずサマーソルトキックに繋げることでセビハリまで持っていける。セビハリができる人にしかあまり関係ないが、長めのリーチの下段技である屈弱Kから300以上のまとまったダメージを取るチャンスはガイルにとって非常に貴重である。
・屈中P 発生4F ヒット時+2F ガード時-1F
コパ→屈中P→必殺技は基本中の基本コンボ。普通にプレイしていてもかなり使用頻度の高い技だと思われる。
技の特徴として、持続の長さがある。持続が5Fと長いため、ギリギリ相手に届かないあたりで置くように使い、バンストやスタブ、中足でのけん制とは少し違う種類のけん制となる。もちろん、密着状況からコパ→コパ→屈中P→ソニックなどと入れ込んで使うこともある。ソニックをガードさせれば有利なので、簡単にガイル側優勢の状況を作ることができる連携である。
ウル4を初めて1ヶ月も経っていれば「しゃがみグラップ、しゃがグラ」が癖になり始めている人も多いと思うが、ガイルは屈中Pグラップもそれなりに強い。コマンドは簡単、しゃがみながら 弱P+弱K+中P これだけ。一部の技は足払い系の技をかわしながら攻撃してくるので、それに対して有効である。屈中Pがカウンターヒットしたらもう一度屈中P→必殺技と繋げられ、リターンも大きいのだ。
・屈大P 発生5F ヒット時-4F ガード時-9F
通称リフト、リフトアッパー、アッパー。下タメがないときのとっさの対空としてもっとも使われることが多い技。サマー対空を覚えたら次はアッパー対空を覚えたい。安定してアッパー対空できるようになればもう立派な軍人だ。
技の特徴としては上方向への強さ。めくり気味の飛びに対しても、早めに出すことができれば落とせることが多い。逆に、横方向への判定は弱め。相手が技を何も出さずに着地してきた場合、大きな隙を晒すことになる。なので、遠中K対空が必要になってくるのである。おお面倒くさい。
屈中Pグラップの他に、アッパーグラップも使用するときがある。ルーファスなどの急降下系技でグラ潰しをしてくるキャラクターに有効。屈中Pグラップと合わせて使えるようにし、相手のキャラクターによって使い分けていきたい。
・屈弱K 発生4F ヒット時+3F ガード時0F
通称小足、コア。あまり言うことはないレベルで分かりやすい技。リーチが長めなので、リバササマーを嫌った相手に最速小足で暴れると通ったりする。う~ん、読み合い!
・屈中K 発生7F ヒット時0F ガード時-4F
通称中足。ガイルの主力けん制技のひとつ。キャンセルもできず、硬直も長いが、他のキャラクターの中足と大きく違うのはリーチの長さ。先端を刺すイメージで使っていくと強い。が、判定自体は強くない(リーチの長さと同じく喰らい判定も大きく前に出ている)ので注意。また相手のセービングにも注意。恐ろしいことになる。
バンスト、スタブ、屈中P、中足、裏拳(スピニングバックナックル)、ソニックをいかに上手く組み合わせるかがそのまま勝率に直結するといっても過言ではない。しかし、こういったけん制技の使い方については実際に対戦して覚えるほかにない。頑張ろう。
・屈大K 発生6F ヒット時強制ダウン ガード時-3F
通称大足。スト2の頃からの伝統の2回足払い。2回払うからと言って強いかというとそうではなく、むしろ隙の大きさが非常に目立つ。なんか強そうだからという理由で初心者は使いがちだが、それは大きな罠。一度この技を封印して戦ってみた方がいい。マジで。確定している場面なら問題ないが、立ち回りで振る技ではない。筆者は「お願いします!」って言いながら振るときあるけど。
・いったんまとめ
と、ここまででも相当な量になってしまった。始めたばかりは使う技の数自体が少なくなりがちだが、頑張っていろいろなボタンを押しながら戦ってみるとその技の長所短所を理解することができる。中足の項目でも少し触れたが、ガイルは地上でのけん制技、対空技の使い分けがそのまま勝率に繋がるキャラクターである。
↑ガイル七色(五色)の対空
上級者のプレイを見ても、状況ごとにいろいろな技を使っているのが分かると思う。その技を何故使うのかにも(大体は)理由がある。その理由を考え始めるともう大変なのだが、格ゲーで強くなろうとするならその壁を乗り越えなければならない。精進あるのみだ……。
次回、ジャンプ攻撃と特殊技!乞うご期待!